PR
スポンサーリンク

中級を学ぼう 1課 動詞辞書形+こそ 名詞+こそ

日本語の教案

学生の短作文

同僚の先生が「こそ」の短作文をさせたんだけど文がおかしいと言っていたので、その短作文を見せてもらいました。

以下がその短作文です。

① 彼女のことこそ私は安心できない。
② 日本で就職するのはN1こそ必要だ。
③ ラーメンこそ好きな食べ物はありません。
④ 漢字こそ日本語の学習のため大事なものがない。
⑤ この店へ行ったら、この料理こそ私の好きな料理です。
⑥ 「今こそ携帯を見ないで例文作ってください」と言われた。
⑦ みんなお金こそ考えます。
⑧ 今日こそN2の勉強を始まります。

「こそ」はどんなときに使えるか

「学生が言いたかったことは何なのか」と考えました。

③は「こそ」を「ほど」にしたら、「ラーメンほど好きな食べ物はありません。」つまり「ラーメンがいちばん好きです。」という意味になります。

④も同じようにしたら「漢字ほど日本語の学習のために大事なものはない。」つまり「漢字がいちばん日本語の学習のために大事だ。」という意味になります。

⑦の「みんなお金こそ考えます。」は「みんなお金のことを考えます」という意味だと考えました。

③も、④も、⑦も、一つのことについて述べていると言えます。

①は「彼女は、私がよく忘れ物をするからと言って、心配してくれるが、私は、彼女のほうこそ、いつ忘れ物をするかもしれないと思って安心できない。」と語句をつけ足せば、状況がわかる文になります。

これらから、考えたのは

「こそ」は「複数のものの中から選ぶときに使える」ということです。

導入をどうするか

この考えで導入を考えました。

複数の中から選んでいることがわかるようなイラストにしました。

Loader Loading…
EAD Logo Taking too long?

Reload Reload document
| Open Open in new tab

Download here [3.10 MB]

同僚から紹介してもらった本

同僚から紹介してもらった「日本語文法総解説」町田健(研究社)p196には次の例文が載せられていました。

(70) a.○ソクラテスこそ真の哲学者だ。
   b.×ソクラテスこそ真理を探究した。

(71) a.○カエサルこそ偉大だ。
b.×カエサルこそローマ帝国を築いた。

この「b.」こそ、学生がした間違いでした。

日本語文法総解説(pp198-199)の一部分

「こそ」

「こそ」は、ある事物を含む事態が成立することと、その事物以外の事物を含む同様の事態が成立しないことという複合事態を表示する。この点では「だけ」「ばかり」と共通しているが、「こそ」が付加された事物を含む事態は、状態を表示するもの(pp235-237参照)でなければならないという制約がある。

(70) a.○ソクラテスこそ真の哲学者だ。
   b.×ソクラテスこそ真理を探究した。

(71) a.○カエサルこそ偉大だ。
b.×カエサルこそローマ帝国を築いた。

(70a)と(71a)の述語は名詞と形容詞であり、いずれも状態を表示しており、文として適格である。一方(70b)と(71b)の述語は動作を表す動詞であって、状態を表示しないことから、不適格となる。

また、「こそ」は「だけ」と違い、これらの副助詞が付加された語が表す事物以外の事物を含む事態が成立しないことを、発信者は確信しているが、それらの事態が現実世界で完全に偽であるかどうかについては留保されている。

(72) a.プラトンだけがソクラテスの後継者だ。
b.プラトンこそがソクラテスの後継者だ。

(72a)は「プラトンがソクラテスの後継者だ+プラトン以外の人間はソクラテスの後継者ではない」という複合事態を表示するが、(72b)は、「プラトンがソクラテスの後継者だ+プラトンがソクラテスの後継者だと私は確信している」という複合事態を表す。

したがって、(70a)と(71a)が表示する事態は、以下のようになる。

(70a’) ソクラテスは真の哲学者だ。
    +ソクラテス以外の人間は真の哲学者ではないと私は確信している。

(71a’) カエサルは偉大だ。
    +カエサル以外の人間は偉大ではないと私は確信している。

事物が主体以外の意味役割を表す場合も、「こそ」の特性は同様である。

(73) 私は正義をこそ重視する。

(74) 民主主義は国民にこそ奉仕する。

これらの文が表示する事態は、次のようになる。

(73′) 私は正義を重視する。
   +私は正義以外の事物を重視しないと確信している。

(74′) 民主主義は国民に奉仕する。
   +民主主義は国民以外の事物には奉仕しないと私は確信している。

「重視する」「奉仕する」は動詞であるが、この形態によって現在を含む任意の時に成立する事態を表示しており、状態である事態と同様の性質を持っている。したがって、述語名詞や述語形容詞が状態性を持つのと同様に、これらの動詞形も状態性を持つ事態を表示しており、「こそ」が要求する特性を満たしている。

練習問題(参考までに)

「こそ」を入れてください。

  1. あした 早く起きる
  2. 今年 N2に合格したい
  3. 今度 みんなで頑張って試合に勝とう
  4. 毎日の生活では健康が大切だ
  5. 健康でいることが最も大切だ
  6. うそをつかないことが大切だ
  7. 山田さんのやっていることが本当の仕事だと思った
  8. 木村さんは大阪弁を話さないが、実は大阪の人だ
  9. よろしくお願いします。こちらもよろしくお願いします
タイトルとURLをコピーしました